火の瞑想
The meditation of the fire

The fire of the candle©Mirai Matsuo

 火は熱の塊、エネルギーです。
 生命の活力の元となり、動力となります。
 地球の内部で燃え盛るマグマのように熱く、うねり、回転して、古く角質化したものを燃やし尽くし、新たな生命の源を生み出していきます。
 さあ、体も心も、火のように熱く燃やしましょう。
 ごうごうと燃え盛る炎、ドロドロに溶けるマグマ、淡い光で暗闇を優しく照らし出すロウソクの火……。
 あなたの体は、今、さまざまな炎となり、人の世を、自分の内部を、照らし出し、燃やします。
 今、あなたが入ろうとしている世界は、混沌として、秩序のない世界です。そこはすべてが溶け合い、のたうちあい、あらゆる既成概念が壊されていく世界です。ありとあらゆる欲望と野望が渦を巻き、あなたを襲います。
 それでも、あなたの体内の熱は、それらを恐れることはありません。
 あなたはあなたの熱で、周囲を燃やし、巻き込み、すべてを飲み込みます。
 体を熱く燃やし、心を燃やして、世界を動かす動力源となりましょう。
 
 やがて、ゆっくりと炎は小さくなります。
 何もかも燃やし尽くして、静かに灰が表面をおおいはじめます。
 内部に小さな火種だけは残して、炎は消えていきます。
 火も、いつまでも燃えているわけではありません。
 再びその火を必要とするまで、大事に灰の中で熱を保ちつづけましょう。

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