ここは、時間と空間の狭間です。
現実ではありません。
名を持つ神ではなく、人間の誰もがその名を呼ぶことすら禁じられた神の支配する世界です。
その神のもとで、あなたは、いま現実から自由になり、あなた自身を取り巻くすべてのものから自由になっています。
何者も、あなたを縛り付けている者はいません。
何者もあなたに手出しはできません。
あなた自身の内なる声に耳を傾け、あなたの周囲の人々の声なき声に耳を傾け、現実のあなたが立っている場所を自由なあなたの目で見つめてください。
あなたは、生まれたばかりの赤ん坊です。あなたを産んだ人を見てください。
あなたは１歳になりました。１歳の誕生日の自分を思い描いてみましょう。
そして、あなたは言葉を話し、走るようになり、学校に通って、成長していきます。
あなたの周囲にいたすべての人々を思い出してください。
人の歴史と人を取り巻くすべての事柄を思い返してください。
あなたの叫びは、あなたにしか聴こえません。あなたの涙は、あなたの目にしか映りません。
他に音もなく、色もなく、匂いもない、何もない時空の狭間で、あなたはたった一人で自分と自分を取り巻くすべての人々の歴史を見つめているのです。
さあ、あなたにはすべての声が聴こえたでしょうか。あなたにはすべてが見えたでしょうか。
もし、わからないとしたら、あなたはまだ自由ではありません。
現実の思いから解放されてはいません。
まだ、自分自身を自由な目で見つめていません。
名を呼ぶことを禁じられた神の視線はいま、厳しくあなたに注がれています。
現実の思いは現実に置いてきましょう。
ここは、現実ではないのです。
自由になって、自分をもう一度見つめてみましょう。